遺品整理、生前整理で悪質な業者を選ばない為には
2020年7月8日
遺品整理とは、故人の部屋を片づけ、不要品を処分し、部屋をきれいにすることです。
以前の日本では、遺品整理は遺族が行うのが一般的でした。
しかし、ご存じのように、わが国では、急速に高齢化が進んでいます。
また、核家族化など社会構造が大きく変化し、晩婚化・未婚化・一人暮らし世帯の増加などが社会問題となっています。
このような時代において、遺品整理は、遺族の力だけでは支えきれなくなっており、遺品整理業者の需要が高まっています。
しかし、残念なことに、遺品整理業者の中に、悪徳業者が数パーセントほど存在するといわれています。
故人を供養する意味でも、遺品整理は大切です。
納得できる遺品整理のために、優良業者と悪徳業者の見分け方について見ていきましょう。
遺品整理で起こるトラブル
現在、日本国内で登録されている遺品整理業者は1万を超えるとされています。
一般社団法人 遺品整理士認定協会によれば、加盟企業8000社の年間売上高の総計は5000億円を超えているとのこと。
しかし、業者が急増したことにより、依頼者とのトラブルも報告されるようになってきました。
遺品整理業には、基本的に必要な資格はありません。
そのため、遺品整理に必要な知識や技術がなくても簡単に始めることができてしまうのです。
通常、遺品を正しく処理するには、廃棄物処理料金がかかります。
しかし、業者の中には、儲けを出すために不法投棄を行ったり、遺品整理の料金を釣り上げていくような悪徳業者も存在しているのです。
代表的なトラブルは、料金の釣り上げ、窃盗行為、不法投棄です。
特に多いのは料金の釣り上げで、「ゴミの量が多い」、「想定外の仕事が必要になった」などと言って見積りの何倍もの金額を請求したり、追加料金が発生したとして高額な費用を払わせるもの、「無料回収」をうたっていたのに、理由をつけて高額な料金を請求された、などという事例が報告されています。
また、見積りの段階でも、内容に納得できずに断ろうとしたら、高圧的な態度で脅された、というケースもあります。
そのほか、遺品を雑に扱われたり、作業中に貴金属や金品を盗む、確認せずに形見や権利書を処分されたなどという事例も起こっています。
さらに、回収した遺品を不法投棄されたというケースも報告されています。
不法投棄は、環境破壊につながります。
投棄したものの素材によっては火事などが起こってしまうこともあるのです。
遺品整理は、まだ比較的新しい業界のため、法整備が進んでおらず、監督官庁も決まっていません。仕事をする上での、明確なガイドラインもありません。
今後、日本では、遺品整理の仕事は必ず需要が増えると予想されます。
社会的に必要な仕事であるからこそ、優良業者に安心して任せたいものです。
業者選びのポイント~その1~
ホームページやパンフレットが分かりやすく書かれているかは、その業者の姿勢を知るための大切なポイントです。
欲しい情報が書かれているか、業者の住所や固定電話の番号が記載されているかを確認しましょう。
連絡先の電話番号が固定電話でなく、携帯電話の番号である場合は注意が必要です。
きちんとした会社組織での仕事をしていない可能性が高いと考えられます。
次に、料金システムが明確に決められているかどうかをチェックします。
このとき、あまりにも料金が安すぎる業者には注意が必要です。
納得がいったら、問い合わせをしてみます。
この時、迅速で丁寧な対応であれば、相談や見積もりを依頼してみてもよいでしょう。
最近は、ハウスクリーニングだけでなく、不用品の買い取りや遺品の供養、形見分けの代行など、さまざまなオプションサービスを行う業者が増えています。
どのようなサービスをいくらぐらいで受けられるのか、確認しておきましょう。
また、産業廃棄物収集運搬などの資格、買い取りをするところであれば古物商許可を取得しているかを必ず確認しましょう。
不法投棄などの犯罪を防ぐことになります。
ポイント~その2~
相談や見積もりの際は、きちんとした対応であるかどうかをチェックしましょう。
遺品は、単なる不用品でなく、故人が使っていた大切なものです。
スタッフと話す中で、遺品を大切に扱ってもらえるかどうかが、ある程度わかります。
わからないことがあれば、どんどん質問しましょう。優良業者は、面倒がらず不安を的確に解消してくれるはずです。
見積りの際に契約を急がせる素振りがないか、納得のいく料金の説明があるかは特に重要なポイントです。
しっかり観察しましょう。
遺品整理の当日、依頼人が立ち会えるかどうかも聞いておきましょう。
遺品整理では、思いも寄らないようなものや依頼者が知らなかったものが出てくることがよくあるため、そのような品物の仕分けについて確認が必要になります。
また、スタッフに要・不要が判断できないものが見つかった場合も、依頼者が判断することになります。
しかし、この立ち会いを不要とする業者があります。
このような場合、遺品の中から価値の高いものを盗まれる可能性があるかもしれません。
最近では、遠方にいる依頼者がいつでもチェックできるよう、スマホで作業の様子を見られるようにする業者もいるほどです。
立ち会いを拒否する業者には要注意です。
ポイント~その3~
見積書に、トータルの金額だけではなく、何にいくらかかるか、項目と料金が細かく書かれているかをチェックしましょう。
見積りに書かれているのは作業代のみで、不用品の処分費や使用したダンボールなどの消耗品代を別途請求されたという事例も少なくありません。
また、どんな場合に追加料金が発生するかについても確認し、分かりにくい部分があれば納得がいくまで質問しましょう。
質問に丁寧に答えてくれなかったり、はぐらかしたりする業者は要注意です。
さらに、許可番号や銀行口座から、実在する会社であるかを確認しましょう。
許可番号などは、ホームページでも公開されています。
簡単なチェック方法としては、スタッフが乗ってきた車に社名や固定電話の電話番号などが記載されているかを見てみましょう。
車に何も書いていない場合は、素材がはっきりしない、無許可営業をしている可能性が高いと考えられます。
まとめ
遺品整理は、依頼者と業者が共通の認識を持って作業にあたることが重要です。
業者がきちんとした仕事を行うことは当然のことですが、依頼者との相性も大切です。
事前に十分に話し合い、この会社なら、と納得のいく業者に出会えるといいですね。